ヴォカリーズ(ラフマニノフ)
本日は、最も有名なヴォカリーズ曲である、ロシアの作曲家セルゲイ・ラフマニノフ(Серге́й Рахма́нинов、Sergei Rachmaninov、1873-1943)の作品「ヴォカリーズ 嬰ハ短調」をお送りします。1912年に出版され、ソプラノ歌手アントニーナ・ネジダーノヴァに献呈されました。
母音「A」のみで歌われる、ロシア音楽らしい悲哀を帯びた旋律と、淡々と和音と対旋律とを奏でていくピアノの伴奏が特徴です。ヴォカリーズなので歌詞がなく、ロシア語を母国語としない歌手でも歌いやすいため、ラフマニノフの数多の歌曲の中でも最も多くの人に歌われています。また声楽曲としてのみならず、ピアノやバイオリンなどの様々な器楽曲にも編曲されて親しまれています。
なおこの曲は、ソプラノまたはテノールのための曲として作られましたが、ピアノ伴奏との調和を考えるとテノールで歌うことは適切でなく、ほとんどソプラノによって歌われているようです。
映像は、アメリカのソプラノ歌手ルネ・フレミング(Renée Fleming, 1959-)による歌唱の録音です。
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【おすすめCD】
キャスリーン・バトル・アット・カーネギー・ホール(試聴可能)
アメリカのソプラノ歌手キャスリーン・バトルの91年カーネギーホールでのリサイタルを収めたライヴ盤。「ヴォカリーズ」ほか、「オンブラ・マイ・フ」「ルイーゼが不実な恋人の手紙を焼いた時」など、有名歌曲を収録。
【おすすめ楽譜】
ラフマニノフ歌曲選集
「ヴォカリーズ」など全34曲を声種に適したまとまりで配列し、また、ロシア語になじみの薄い演奏者への一助として、ロシア語歌詞の下にアルファベットによる発音を付してある。