ブログ番組「クラシック名曲アルバム」

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2009年元日開局。Youtubeにあるクラシック音楽の動画・録音を紹介。1日1曲、短くて聴きやすい名曲をお楽しみ下さい。

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バレエ音楽「ガイーヌ」より“剣の舞”(ハチャトゥリアン)

 アラム・イリイチ・ハチャトゥリアン(Aram Il'ich Khachaturian、1903-1978)は、グルジア出身のアルメニア人で、ソビエト連邦の作曲家です。貧しい家に生まれたので幼少時に正規の音楽教育を受けられず、18歳まで楽譜も読めませんでした。しかしアルメニア・アゼルバイジャン・グルジアなどカフカス地方の民族音楽に幼いころから親しんだことで音楽性が育まれ、才能を認められて名門モスクワ音楽院に進みました。

 彼の作品は民族色が濃く、またリズム感に溢れ舞曲的な要素にあふれたものです。そこで本日は、彼の代表作であるバレエ音楽「ガイーヌ(Gayaneh、ロシア語の発音では「ガヤネ」)」をご紹介します。
 「ガイーヌ」は、キーロフ・バレエ団からの委嘱作品で、第二次大戦初期の1942年に初演されました。アルメニアのコルホーズ(集団農場)を舞台に、若い女主人公「ガヤネ」を中心とした愛と裏切りと戦争の危機がからみあう作品です。初演の原典版では、大戦中という時代を背景に愛国色の強い内容となっていましたが、戦後の1958年に改定された版では、愛国的な要素を減らしガヤネをめぐる若者二人の友情と葛藤の物語に書き換えられました。

 「ガイーヌ」は、現在ではバレエ作品としての上演よりも、作曲者自身によって編まれた3つの組曲(全21曲)の管弦楽作品としてオーケストラで演奏されることのほうが多くなっています。中でも最も有名な曲が「剣の舞(Sabre Dance、露:Танец с саблями)」です。
 「ガイーヌ」完成当初、この曲は含まれていませんでした。しかし初演の前日になって、「クルド人が剣を持って出陣の舞踏をする場面」を急遽追加することになり、ハチャトゥリアンが徹夜で完成させました。演奏時間2分半ほどの短い曲で、剣を持って踊るのにふさわしい野性的な激しいリズムを、打楽器で効果的に表現しています。
 この「剣の舞」は異常なほどの人気を博し、初演後の数年間、世界で最高の人気曲の地位を保ったといわれます。「作曲家ハチャトゥリアン」の名はこの曲によって後世に残ったといえます。日本でも小学校の教科書に載っていますから、全国民が一度は聴いたことのある曲でしょう。

 2つの映像をご紹介します。
 まずは、オーケストラによる一般的な演奏です。(演奏者不明)
  

 こちらは、バレエ音楽としての上演です。若干の編曲が加えられているようですが、この曲本来の姿がよく分かる映像です。(ロシア国立ワガノワ・バレエ・アカデミー)
  
【おすすめ音源】
 ハチャトゥリャン: 管弦楽作品集 ~剣の舞(視聴可能)
 バレエ組曲「ガイーヌ」より“剣の舞”など4曲のほか、組曲「仮面舞踏会」「スパルタクス」の有名曲を収録したCD。
 剣の舞(視聴可能)
 MP3ダウンロード。ウラジーミル・フェドセーエフ指揮、モスクワ放送交響楽団。
【おすすめ楽譜】
 スコア ハチャトゥリャン 「ガイーヌ」第3組曲 (Zen‐on score)
 「剣の舞」ほか、「クルドの若者たちの踊り」「序奏と長老たちの踊り」など、「ガイーヌ」から6曲を収録したスコア(総譜)。
 ピアノピースー274 剣の舞/ハチャトリアン
 ピアノ独奏用に編曲された楽譜。難易度は「C」。
 PDPー066 剣の舞(連弾)/ハチャトゥリアン
 ピアノ連弾用の楽譜。
【おすすめ書籍】
 剣の舞 ハチャトゥリヤン―師の追憶と足跡
 ハチャトゥリアンに才能を認められ彼の弟子となった作曲家・寺原伸夫の著書。ハチャトゥリアンとの出会い、モスクワ音楽院留学の思い出、ハチャトゥリアンとの対話などが綴られている。

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by asapykadan | 2013-09-21 23:16 | 管弦楽曲