ブログ番組「クラシック名曲アルバム」

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2009年元日開局。Youtubeにあるクラシック音楽の動画・録音を紹介。1日1曲、短くて聴きやすい名曲をお楽しみ下さい。

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歌劇「夕鶴」より“与ひょう、あたしの大事な与ひょう”(團伊玖磨)

 明治以降、日本で西洋音楽が次第に普及し、日本人作曲家による曲も作られるようになりました。しかし歌劇(オペラ)は、西洋の作品が上演されることはあっても、日本人の手になる作品はなかなか良いものが出ず、いくつか作られた作品もめったに再演されない状態が現在も続いています。
 そのような中、團伊玖磨(1924-2001)のオペラ「夕鶴」だけは、とびぬけて人気が高く、頻繁に演奏され、何度も海外公演も行われています。本日は、まさに日本を代表するオペラであるこの作品を御紹介します。

 「夕鶴」は、木下順二の戯曲『鶴女房』(あらすじは日本民話「鶴の恩返し」)をほぼそのまま台本とした、全1幕(約1時間50分)のオペラです。1952年に大阪の朝日会館で初演されました。
【あらすじ】
 舞台は雪国の村。百姓の「与ひょう」は、ある日、矢が刺さって苦しんでいた一羽の鶴を助ける。すると後日、一人の女性「つう」が与ひょうの家を訪ねてきて、女房にしてくれと言う。夫婦として暮らし始めると、つうは機織りをするようになる。ただし「織っている間は部屋を覗くな」という約束の下に。
 つうが織った布は見事な出来栄えで、高値で売れ、だんだんお金がたまってくる。その噂を聞きつけた「惣ど」と「運ず」が与ひょうをけしかけ、もっと布を織らせてもっと高く売ろうと言う。
 つうは、あの布を織ると痩せるのでこれ以上は織れないと断るが、与ひょうがしつこく言うので、しぶしぶ再度機織りに向かう。与ひょうは約束を破り、織っている姿を見てしまう。自らの羽を抜いては生地に織り込んでいく鶴の姿…。正体を見られたつうは、傷ついた鶴の姿で空に帰っていく。

 映像は、幕の中間部で歌われるつうのアリア「与ひょう、あたしの大事な与ひょう」です。ソプラノ歌手の澤畑恵美さんによる歌唱です。
 欲に溺れてもっと布を織れと命じる与ひょうに、「あんたはただただ、あたしをかわいそうに思って矢を抜いてくれた。だから喜んであんたのところへ嫁に来たのに、何だかあんたはあたしから離れていく…どうしたらいいの?」と嘆く、哀しい歌です。
 本来は5分半程度のアリアですが、この映像は一部が省略されているようで、約4分の演奏時間となっています。

 
 
【おすすめ!】
 オペラ『夕鶴』~上演600回記念ライヴ
 全曲演奏のCD。1994年新宿文化センターにおける、上演600回記念のライヴ録音。つう役はソプラノ歌手の鮫島有美子。
 團伊玖磨 オペラ「夕鶴」ピアノ・ヴォーカルスコア
 夕鶴・彦市ばなし (新潮文庫)

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by asapykadan | 2014-01-03 14:03 | オペラ・アリア