ブログ番組「クラシック名曲アルバム」

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2009年元日開局。Youtubeにあるクラシック音楽の動画・録音を紹介。1日1曲、短くて聴きやすい名曲をお楽しみ下さい。

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 本日は、イタリア古典歌曲「私を傷つけるのをやめるか」(O cessate di piagarmi)をお送りします。

 イタリアのバロック期の作曲家、アレッサンドロ・スカルラッティ(Alessandro Scarlatti, 1660-1725)によるアリエッタ(18世紀後半のオペラで歌われる小アリア)作品です。A-B-Aの3つの部分から成る「ダ・カーポ形式」の歌で、8分の6拍子のシチリア風のリズムに乗って、優しい憂愁が流れていきます。

 作詞者は不詳ですが、歌詞の最初の“O”は、英語でいう“Oh!”(間投詞)ではなく“or”に相当する語です。「AかBか」(or A or B)という表現の“か”(o)が、両方とも顕在しているのです。
O cessate di piagarmi,       私を傷つけるのをやめるか、
o lasciatemi morir!         さもなければ私を死なせてほしい

Luci ingrate, dispietate,      氷よりも大理石の像よりも冷たくて
Più del gelo e più de' marmi   私の苦悩には耳も貸さない
fredde e sorde a' miei martir.  無慈悲で情知らずの瞳よ。

 映像は、「世界三大テノール」の一人で、スペイン人のホセ・カレーラス(José Carreras、1946-)の若き頃の歌唱の録音です。

 

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by asapykadan | 2009-12-29 20:18 | イタリア歌曲
 「メサイア」(Messiah)は、ドイツ生まれのイギリスの作曲家ゲオルク・フリードリヒ・ヘンデル(Georg Friedrich Händel、1685-1759)が作曲したオラトリオです。
 題は「メシア」(救世主)の英語読みが由来です。聖書に描かれた救世主イエス・キリストの生涯を題材とした独唱曲・重唱曲・合唱曲によって構成されています。全3部50曲から成り、全曲演奏時間は2時間半前後です。
 1742年4月にアイルランドのダブリンにて初演されました。

 J.S.バッハの「マタイ受難曲」「ヨハネ受難曲」と並んでよく知られた宗教曲で、バロック音楽、宗教音楽、声楽曲といった複数のジャンルにおいて常に上位に位置付けられる名曲です。とりわけ合唱曲が優れており、第2部最後の「ハレルヤ」(Hallelujah)は、“ハレルヤコーラス”として日本でもよく知られています。

 本日は、この大曲の中から第1部第12曲の「一人のみどりごが我らのために生まれた」(For unto us a child is born)をお送りします。
 歌詞は旧約聖書における預言書の1つ「イザヤ書」の第9章第6節、救世主の誕生を預言した箇所から採られています。「メサイア」曲中においてはキリストの誕生を喜ぶ歌として歌われます。混声4部合唱の、明るく迫力ある曲です。
For unto us a Child is born,
unto us a Son is given:
and the government shall be upon His shoulder:
and His Name shall be called Wonderful, Counsellor, The Mighty God, The Everlasting Father, The Prince of Peace.
 ひとりのみどりごが我らのために生まれた
 ひとりの男児が我らに与えられた
 政(まつりごと)はその肩にあり
 その名は「霊妙なる指導者、全能の神、とこしえの父、平和の君」と唱えられる

 「and the government shall be upon His shoulder」の部分は明るい旋律ですが、「タン、タターン、タターン、タターン...」という足を引きずるような上昇音階となっています。これは「受難のリズム」と言い、十字架を背負ってゴルゴダの丘を登っていくことを暗示している部分です。キリストの受難は生まれながらにして運命づけられていたのです。

 映像は、米国の末日聖徒キリスト教会の合唱団「Mormon Tabernacle Choir」による演奏です。

 

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by asapykadan | 2009-12-20 20:47 | その他声楽曲・歌曲
 「トゥーランドット」(Turandot)は、中世アラビアの物語を紹介したフランス人ペティの作品「千一日物語」の中の「カラフ王子と中国の王女の物語」に登場する姫の名前です。この物語を基に、ヴェネツィアの劇作家ゴッツィが1762年に戯曲「トゥーランドット」を書きました。

 この戯曲には複数の作曲家による作品が存在しますが、今日最も有名なのは、歌劇「蝶々夫人」の作曲者として知られるイタリアのオペラ作曲家、ジャコモ・プッチーニ(Giacomo Puccini, 1858-1924)の作品です。
 プッチーニ作品は未完成遺作に終わり、プッチーニの死後に弟子のフランコ・アルファーノが補筆して完成させ、1926年にミラノにて初演されました。しかし、アルファーノ補作の大部分は初演時の指揮者トスカニーニが冗長と見做してカットしてしまい、今日一般に演奏されているのはこの短縮版です。

 全3幕から成るこのオペラは、いつとも知れない伝説時代の中国・北京が舞台です。北京の皇帝の娘トゥーランドット姫の美貌に惹かれたダッタンの王子カラフが、結婚の条件である3つの謎解きに命をかけて挑戦し、彼を慕う女奴隷リューの犠牲を経て、見事にトゥーランドット姫を勝ち取るまでが描かれています。
 詳細なあらすじ・配役等はこちら

 本日は、聴き所満載のこのオペラのうち、第1幕のリューのアリア「お聞き下さい、王子様」(Signore ascolta)をお送りします。トゥーランドット姫に恋したカラフが3つの謎解きに挑戦しようとした時、失敗すれば斬首されるので、女奴隷リューが泣いて止めるために歌います。中国的異国情緒に溢れた、物悲しい旋律のアリアです。
Signore, ascolta!             王子様、お聞き下さい、
Ah, signore, ascolta!           ああ、王子様、お聞き下さい!
Liù non regge più,             リューはもう耐えられません、
si spezza il cuor!              胸が張り裂けそうです!
Ahimè, quanto cammino        ああ、どれほど歩いてきたことでしょう、
col tuo nome nell'anima,        あなた様のお名前を胸に
col nome tuo sulle labbra!       あなた様のお名前を口にしながら
Ma se il tuo destino            でもあなた様の運命が
doman sarà deciso,            明日、決まるようなら
noi morrem sulla strada dell'esilio.  私たちは流浪の道すがら死ぬでしょう、 
Ei perderà suo figlio,            このお方はご子息様を
io l'ombra d'un sorriso.          私は微笑みの面影を失いまして
Liù non regge più!             リューはもう耐えられません、
Ah! Pieta!                   ああ、お願いです!

 映像は、アメリカ生まれのソプラノ歌手シンシア・ハイモン(Cynthia Haymon、1958-)が演じたものです。

 

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 世界的なソプラノ歌手キリ・テ・カナワのソロCD。「トスカ」「マノン・レスコー」「蝶々夫人」「トゥーランドット」など、プッチーニ作のオペラアリアのみを17曲収録。

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by asapykadan | 2009-12-03 21:51 | オペラ・アリア