ブログ番組「クラシック名曲アルバム」

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2009年元日開局。Youtubeにあるクラシック音楽の動画・録音を紹介。1日1曲、短くて聴きやすい名曲をお楽しみ下さい。

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あかがり(信時潔)

 本日は、日本の合唱曲「あかがり」をお送りします。

 歌詞は、神楽で謡われる「神楽歌」のうち、「本」と「末」が掛け合う形式の「早歌」(はやうた)の1つから採られています。
(本) あかがり踏むな後(あと)なる子
(末) 我も目はあり先(さき)なる子

 ※「あかがり」=あかぎれ
 ※「後なる子」の「後」は、本来は「しり」と読むべきであるが、この歌の歌詞では「あと」としている。
【訳】
 俺の(足の)あかぎれを踏むなよ、後ろから来る子よ
 俺にも目はあるぜ、前にいる子よ

 前後して歩く子供同士の掛け合いの歌とも見られますが、子供が輪になって遊ぶ時の唱和を演じる素人猿楽の情景という見方もあります。

 作曲者は、「海ゆかば」「海道東征」「慶應義塾塾歌」などの歌曲で知られる日本の作曲家・信時潔(のぶとき・きよし、1887- 1965)です。ベルリン留学中の1920年に作曲したもので、留学中の一番の自信作として、帰国後の1922年12月に、助教授を務めていた東京音楽学校(現・東京芸術大学)の土曜演奏会で信時自身の指揮により初演されました。

 旋律はわらべ歌のような雰囲気です。また、ピアノ伴奏はなくアカペラ(無伴奏合唱)の曲です。上記の短い歌詞が輪唱で何度も繰り返されます。歌詞も曲も非常にユニークだったため、初演を聴いた人びとの反応は「驚き」「笑い」そのものでした。しかし次第に曲の良さが認められ、日本中の合唱団によって歌われる曲となりました。
 当初作曲されたのは混声四部合唱でしたが、後に女声合唱版も作られました。

 映像は、MAKIpDKMさんが音声合成ソフト「初音ミク」によって作成した女声合唱版です。実際の曲は1分40秒ほどですが、この映像では50秒ほどに短縮されています。人工音声による演奏ですが、ある意味、人間が歌うよりもこの曲の特徴をよく表現しています。

  

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 信時潔作曲の合唱曲を混声・女声合わせて53曲収録した楽譜。日本古謡や和歌等に作曲した「あかがり」「紀の国の歌」「痩人を嗤ふ歌二首」など。

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by asapykadan | 2011-10-02 21:12 | その他声楽曲・歌曲