ブログ番組「クラシック名曲アルバム」

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2009年元日開局。Youtubeにあるクラシック音楽の動画・録音を紹介。1日1曲、短くて聴きやすい名曲をお楽しみ下さい。

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オラトリオ「セメレ」より“そなたの赴くところ、何処にも”(ヘンデル)

 「オラトリオ」とは、17世紀頃発達した宗教的音楽劇のことです。主に聖書の物語を題材とし、独唱・合唱・管弦楽による複数の楽曲から構成されています。また歌劇(オペラ)とは異なり、演劇は無く、演奏会形式で上演されるのが原則です。バロック音楽の大作曲家ヘンデル(G.F.Händel, 1685-1759)によって大成されました。

 ヘンデルの幾多のオラトリオ作品の1つが「セメレ」(Semele)です。1744年にロンドンにて、演奏会形式で初演されました。ギリシャ神話を題材とした、英語のオラトリオです。
 ギリシャ・テーベの王カドモスの娘セメレは、ポイオティアの王子アタマスとの結婚を目前にしているにもかかわらず、神々の王ジュピターと恋仲でいます。しかし二人の恋は、ジュピターの妻ジュノーを嫉妬させます。ジュノーの陰謀によって、セメレの命は愛するジュピターの手で絶たれてしまうのです。
 詳細なあらすじ・登場人物はこちらを参照
 しかしこのオラトリオは、好色な題材がイギリスの当時の精神と合わなかったせいか、あまり成功しませんでした。初演の年に6回演奏されて後、ヘンデルの存命中にこの曲が再演されることはありませんでした。長く忘れられていましたが、20世紀になってからイギリスで、舞台形式による復活上演が行われました。
 
 本日は、このオラトリオの中のアリア「そなたの赴くところ、何処にも」(Where'er you walk)をお送りします。第2幕第3場、ジュピターがセメレのために建てた宮殿で、セメレを楽しませようとするジュピターが、場面をアルカディア(古代ギリシャの牧歌的楽園)に変えて、田園の楽しみを称えて歌うアリアです。
Where'er you walk, cool gales shall fan the glade;
Trees, where you sit, shall crowd into a shade.
Where'er you tread, the blushing flow'rs shall rise,
And all things flourish where'er you turn your eyes.
 そなたの赴くところ、何処にもそよ風が木陰を吹き抜け、
 そなたの座る木々は、木陰に群がる。
 そなたの踏み入れるところ、何処にも恥じらう花が咲き出で、
 そなたの眼を巡らすと、すべては栄華を現す。

 映像は、ドイツのカウンターテナー、アンドレアス・ショル(Andreas Scholl)による歌唱の録音です。

 

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 ヘンデル:オラトリオ「セメレ」 HWV 58
 「セメレ」全曲演奏を収録。ヨアヒム・カルロス・マルティーニ指揮、フランクフルト・バロック管弦楽団。
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 ヘンデルはなぜ、華やかなイタリア語オペラを捨て、地味な英語オラトリオに転向したのか? 音楽史上の謎を、社会経済史的視点から解き明かす力作。

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by asapykadan | 2009-03-11 23:54 | オペラ・アリア