歌劇「リナルド」より“私を泣かせて下さい”(ヘンデル)
トルクァート・タッソによる11世紀のエルサレムを舞台にした叙事詩「解放されたエルサレム」を原作とします。主人公のリナルドは、エルサレムを征服した第1回十字軍の英雄です。
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本日は、全3幕から成るこのオペラのうち、最も有名なアリア「私を泣かせて下さい」(Lascia ch'io pianga)をお送りします。第1幕において、リナルドの恋人アルミレーナがイスラム軍側の魔女アルミーダに捕らえられ、敵軍の王アルガンテに求愛されますが、愛するリナルドへの貞節を守るため「苛酷な運命に涙を流しましょう」と歌うアリアです。悲しみに満ちていますが、ヘンデル独特の伸びやかさも併せ持った歌です。
ヘンデル作のアリアの中でも非常に有名な曲であり、単独の歌曲としてもよく歌われます。
Lascia ch'io pianga la dura sorte
e che sospiri la libertà.
過酷な運命に涙を流し、
自由に憧れるままにさせて下さい。
Il duol infranga queste ritorte
de' miei martiri sol per pietà.
お慈悲ですから、私の苦しみの鎖が
悲しみそのものによって打ち壊されますように!
映像は、フランス人のカウンターテナー、フィリップ・ジャルスキー(Philippe Jaroussky, 1978-)による情感たっぷり(やや過剰?)な歌唱です。
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【おすすめ!】
ヘンデル:リナルド(全曲)(試聴可能)
「リナルド」全曲録音のCD。リナルド役はカウンター・テナーのダニエル・ダニエルズ、アルミレーナ役はイタリアの人気メゾソプラノ歌手チェチーリア・バルトリ。
ソプラニスタ
世界に3人しかいない、男性のソプラノ歌手「ソプラニスタ」岡本知高のソロCD。「私を泣かせて下さい」ほか、「今の歌声は」「アヴェ・マリア」などの世界の歌曲・オペラアリアを歌う。
ヘンデルアリア選集(1) オペラ編
ヘンデルのオペラから有名なアリアを抜粋した楽譜。「私を泣かせて下さい」など36曲。