マリンコニア、やさしいニンファ(ベッリーニ)
19世紀前半のイタリアオペラ界を代表する作曲家、ヴィンチェンツォ・ベッリーニ(Vincenzo Bellini, 1801-1835)の作品です。1829年にミラノで出版された彼の歌曲集「6つのアリエッタ」の第1曲で、恋人をニンファ(妖精)に例えて、愛の喜びを歌い上げます。詞はイッポリート・ピエデモンテ(Ippolito Pindemonte, 1753-1828)の作。
Malinconia, Ninfa gentile,
la vita mia consacro a te;
i tuoi piaceri chi tiene a vile,
ai piacer veri nato non è.
マリンコニア、やさしい妖精よ
私は貴女に命を捧げる。
貴女の喜びを大切にしない者は
生まれつき真の喜びには向いていない。
Fonti e colline chiesi agli Dei;
m'udiro alfine, pago io vivrò,
né mai quel fonte co' desir miei,
né mai quel monte trapasserò.
私は神々に泉と丘を求め、
その願いはついに聞き入れられた。
私は安らかに生き、私の望みが
あの泉とあの山を越えることは決してないだろう。
映像は1988年、世界三大テノールと称されたルチアーノ・パヴァロッティ(Luciano Pavarotti、1935-2007)が歌ったものです。ピアノ伴奏は指揮者としても有名なジェームズ・レヴァイン(James Levine, 1943-)。
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