ブログ番組「クラシック名曲アルバム」

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2009年元日開局。Youtubeにあるクラシック音楽の動画・録音を紹介。1日1曲、短くて聴きやすい名曲をお楽しみ下さい。

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歌曲集「陽気な歌」より“気の多い恋人”(プーランク)

 フランシス・プーランク(Francis Poulenc, 1899-1963)は「フランス6人組」と言われた作曲家の一人です。かつてフランスを代表する化学会社であった「ローヌ・プーラン」(Rhone-Poulenc)の創業者一族に生まれ、裕福な環境に育ちました。アマチュアピアニストの母の弾くピアノを聴いて育ち、後にピアノや作曲を音楽家に師事したものの、音楽学校には進まず、自らを取り巻く環境や交流関係などから音楽を培い、作曲をしていきました。

 彼の作風は、初期のものは軽快でわかりやすいものでしたが、年齢を重ねるにつれカトリックの信仰を深めていき、円熟したものになっていきました。
 作品は、音楽体験がピアノから始まっているためにピアノ曲が多いものの、シューベルトの歌曲を好んだことから、多くの優れた歌曲、合唱曲、オペラも遺しています。

 本日は、彼の歌曲・全145曲のうち、1926年に作曲された歌曲集「陽気な歌」(Chansons gaillardes)をご紹介します。プーランクが歌曲の巨匠と認められることとなった曲です。下記の全8曲から構成されています。
(1)気の多い恋人(La Maitresse volage)
(2)酒の歌(Chanson a boire)
(3)マドリガル(Madrigal)
(4)パルク(生死の神)への祈り(Invocation aux Parques)
(5)バッカスへの歌(Couplets Bachiques)
(6)捧げもの(L'offrande)
(7)若いさかり(La belle jeunesse)
(8)セレナード(Serenade)

 これらの歌詞は17世紀無名詩人の詩によるもので、かなり大らかでアケスケな性愛を歌っています。歌手はひどく卑猥な歌詞を、笑ったり赤面したりせずに、重々しく真剣に歌わなければなりません。また、ピアノは単なる「伴奏」にとどまらず、「ピアノの音楽」として歌手と共に曲を作り上げていきます。

 今回お送りするのは、第1曲「気の多い恋人」(La Maitresse volage)です。一度聴いたら耳に残るであろう、非常にユーモラスで歯切れの良いピアノの旋律に乗って、「童貞と処女」のお話が歌われます。
Ma maitresse est volage,   僕の恋人、気が多いので
Mon rival est heureux;    僕のライバルは幸せ
S'il a son pucelage,      彼が童貞で
C'est qu'elle en avait deux.  彼女が二度処女であり
Et vogue la galere,      それをうまくやれるのなら
Tant qu'elle pourra voguer.  成り行きを見守る他はない。

 映像は、オランダ人のバリトン歌手ベルナール・クルイセン(Bernard Kruysen、1933-2000)による歌唱の録音です。

  

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【おすすめCD】
 プーランク:歌曲集
 プーランクの有名歌曲集の歌を39曲収録。「陽気な歌」ほか、「平凡な話」「偽りの婚約」など。「陽気な歌」の歌唱はフランス人のバリトン歌手ジル・カシュマイユ。

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by asapykadan | 2011-02-20 15:14 | フランス歌曲