ブログ番組「クラシック名曲アルバム」

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2009年元日開局。Youtubeにあるクラシック音楽の動画・録音を紹介。1日1曲、短くて聴きやすい名曲をお楽しみ下さい。

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組曲「カレリア」より“行進曲風に”(シベリウス)

 ヤン・シベリウス(Jean Sibelius, 1865-1957)は、スウェーデン系フィンランド人の作曲家です。青年期にはバイオリニストを目指しましたが、後に作曲に転向し、交響曲、交響詩、劇音楽、歌曲など幅広い作品を遺しました。特に全7曲の交響曲と、フィンランドの叙事詩「カレワラ」に基づいた多数の交響詩がよく知られています。

 2009年10月12日記事では、彼の最も有名な交響詩である「フィンランディア」をご紹介しました。本日は、彼の管弦楽作品の一つである組曲「カレリア」(Karelia、フィンランド語:Karjala)をご紹介します。

 「カレリア」とは、フィンランド南東部からロシア北西部にかけての、森林と湖沼の広がる地方の名称です。フィンランドの叙事詩「カレワラ」は、この地方に伝承されていた物語や詩を編纂したものです。いわばフィンランド人の「心の故郷」とも言うべき場所です。
 元々はフィンランドの一地域でしたが、18世紀半ばまでに全て帝政ロシア領となりました。1918年のフィンランド独立により一部をフィンランド領としたものの、第二次大戦によって、再びソ連に奪われてしまいました。ソ連崩壊後に多数の被支配地域で分離独立の動きが盛んになりましたが、すでに大幅にスラブ化されてしまったカレリアは、もはやフィンランドの伝承文化の宝庫としての役割は期待できなくなっています。

 しかしシベリウスの生涯の大半において、カレリアはフィンランドの一地域であり、歴史的・文化的に重要な土地でした。1892年、新婚後間もなくカレリア地方を訪れたシベリウスは、この地方の文化や人々、民謡や伝説に、大いに魅せられます。
 翌1893年、シベリウスはヘルシンキ大学学生の団体から、野外歴史劇のための付随音楽を依頼されました。カレリア地方の13~19世紀までの歴史を7つの場面で描く劇でしたが、発表後の評判は悪く、シベリウスはこれを失敗作として廃棄しました。しかしこの時の音楽は、最終的に「序曲」op.10と、3曲から成る「組曲」op.11の2つの作品として遺されました。
 今日、「序曲」はそれほど演奏される機会はなく、下記3曲から成る「組曲」がよく演奏されます。
(1)間奏曲(Intermezzo)
(2)バラード(Ballade)
(3)行進曲風に(Alla Marcia)
 本日はこのうち、第3曲「行進曲風に」(Alla Marcia)をお送りします。劇の第5景・16世紀の場面の音楽で、2つの主題から成る軽妙な行進曲です。

 映像は、オーストラリア人の指揮者サー・チャールズ・マッケラス(Sir Charles Mackerass、1925-2010)の指揮による、ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団(Royal Philharmonic Orchestra)による演奏の録音です。

  

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 シベリウス:交響曲第2番(試聴可能)
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 シベリウス:作品集(試聴可能)
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 No.307 シベリウス/組曲<カレリア> Op.11
 組曲「カレリア」の総譜(スコア)。

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by asapykadan | 2011-05-15 22:16 | 管弦楽曲